<路面電車>復活を 北九州市議会で勉強会(毎日新聞)

 「環境都市」づくりを進める北九州市で、市議会の会派代表者らが4月、路面電車再開を検討課題とする勉強会を発足させる。利用者が減り、20世紀の終わりとともに姿を消した経緯があるが、市議らは「環境に優しい路面電車は北九州の『街の顔』になる」と意気込んでいる。

 勉強会の中心は、北橋健治市長の与党会派の民主・社民系「ハートフル北九州」。北橋市長は初当選した07年の選挙で「自動車に過度に依存した交通体系から環境に配慮したものへの転換」を公約の一つに掲げており、政策として具体化する狙いもある。

 路面電車を生かした街づくりに詳しい都市プランナー、望月真一さんを講師に招き、バスや自転車なども組み合わせて、マイカーに頼らない交通網の整備などを議論する。

 北九州市では1911(明治44)年から運行が始まった。最盛期の昭和30年代には西鉄(本社・福岡市)が総延長約44キロで走らせたが、マイカー普及で経営が悪化し、最後まで残った八幡西区の5キロの路線も00年に廃止された。

 メンバーからは「市で一番の繁華街があるJR小倉駅周辺で復活させては」との声があり、小倉井筒屋から魚町の繁華街を通る路線などを検討する。同会派の世良俊明市議は「路面電車が走っていた道路の道幅は、大半がそのまま。行政サイドが知恵を絞れば、復活は不可能ではない」と話す。

 ◇富山は新設 長崎で延伸も

 路面電車は現在、国内18都市で運行されている。九州・山口では長崎市、熊本市、鹿児島市で走っている。

 いずれもメリットとして▽中心市街地を走り、にぎわいを生んでいる▽マイカーやバスに比べ、乗客1人当たりの二酸化炭素排出量が3分の1〜6分の1▽床が低く高齢者や障害者も利用しやすい−−などを挙げる。ただ、経営面ではばらつきがあり、長崎、鹿児島は黒字(08年度決算)だが、熊本は赤字(07年度決算)だ。

 長崎県は昨年、海外から大型客船が入る波止場に路面電車を延伸する構想を明らかにした。外国人観光客も路面電車で周遊し、市民とふれあってもらう趣向だ。鹿児島市は景観作りに生かそうと、04年から軌道に芝生を植えている。08年度までに3・8キロが緑化され、今後も順次進める計画という。

 また、富山市では昨年12月に1キロ弱の路線が新たに敷かれ、市内を循環するようになった。宇都宮市が新設の検討を進めるなど、路面電車復活は全国的なすう勢になりつつある。【平元英治】

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